暗号資産の相続贈与に関する課税関係整理1
※2024年12月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
税理士法人レディングの木下でございます。
今回のテーマは、
「暗号資産の相続贈与に関する課税関係整理1」です。
令和6年12月18日の日経マネー記事より
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB169CJ0W4A211C2000000/
暗号資産につき、相続・売却した場合の問題点を
指摘する記事になります。
今回は、暗号資産に関する課税関係を取り上げます。
まずは、国税庁から以下情報が公表されていますので
以下、ご確認ください。
暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/virtual_currency_faq_03.pdf
平成30年11月(令和5年12月最終改訂)
相続税・贈与税関係では
4-1 暗号資産を相続や贈与により取得した場合〔令和4年12月更新〕
4-2 相続や贈与により取得した暗号資産の評価方法〔令和2年12月更新〕
が公表されています。
■4-1 暗号資産を相続や贈与により取得した場合
暗号資産については、決済法上、
「代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができる財産的価値」
と規定されていることから、
被相続人等から暗号資産を
相続若しくは遺贈又は贈与により取得した場合には、
相続税又は贈与税が課税されることになります。
こちらについても、
特に違和感は感じないかと思います。
■4-2相続贈与により取得した暗号資産の評価方法
評基通5(評価方法の定めのない財産の評価)の定めに基づき、
評基通に定める評価方法に準じて評価します。
具体的には、外国通貨に準じて、
相続人等の納税義務者が取引をしている暗号資産交換業者が
公表する課税時期における取引価格によって評価します。
相続贈与により取得した者の
相続税や贈与税の財産評価については
それほど問題になる論点はないかと思います。
■追加検証(相続後の売却)
イメージとしては、
1.被相続人が暗号資産を取得し、急騰後に相続が発生
2.相続人が相続により暗号資産を取得し相続税申告納税
3.相続人が相続により取得した暗号資産を売却
となります。
日経記事を例に挙げて検討します。
1.10年前の2014年12月上旬に
ビットコインを100BTC(約460万円分)購入
2.2024年12月4日時点で約14億3700万円に急騰
3.被相続人に相続発生し相続人は1人
→ この段階で暗号資産に対して相続税が課税される
→ 他の相続財産が無ければ、14億3700万円に対して
7億円弱(実効税率50%)の納税
4.相続人が相続した暗号資産を相続時の価格で売却
→ 相続により財産を取得した場合には
当初取得価額460万円を引き継ぎます
→ 現行制度上、暗号資産は雑所得計算になりますので、
上記の規定が適用されます。
→ 結果として、
14億3700万円-460万円=14億3240万円
に対して雑所得課税されます。
→ 所得税住民税55%課税されるため、
約7.9億円課税されることになります。
相続税7億円弱
所得税住民税7.9億円
合計14.9億円
そうなると、日経記事のように
「ビットコイン「税率100%超」も相続・売却に注意」
の状況が想定されます。
今後はFXと同様、
分離課税に変更されることを望みます。
また、相続税の取得費加算(措法39)の
適用が可能になることも望まれます。
次回は、
暗号資産の贈与後の売却を検討します。
※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。
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