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2018.03.16

役員退職給与の一部として、生命保険の契約者変更をした場合の税務

※2017年9月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

日本中央税理士法人の見田村元宣です。

今回は「役員退職給与の一部として、生命保険の契約者変更を

した場合の税務」ですが、平成13年12月12日の裁決を取り上げます。

役員退職給与の一部として、生命保険の契約者変更(法人から個人)を

することは普通にありますが、この場合、一時所得の計算上、

控除できる金額はいくらになるでしょうか?

たとえば、下記状況とします。

〇 会社が支払った一時払い保険料:3,000万円

〇 退職時の解約返戻金相当額:3,700万円

〇 個人が受領した解約返戻金:3,900万円

これに関して、国税が「一時所得の計算上、控除できる金額は

3,000万円である」と更正したのが本裁決事例です。

これに対し、国税不服審判所は「3,700万円を控除すべき」と

判断しました。

〇 所得税法第34条第2項が「収入を得るために支出した金額」について、

「その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に

伴い直接要した金額」としているのは、一時所得に係る収入に関連して、

あるいは収入があったことに基づいて支出されるようなものは収入を

得るために支出した金額とするものであると解されるところ、

このことは、収入から支出を差し引いた純所得に課税するという

所得税の本旨からすれば、条理上当然であると考えられる。

〇 使用者が使用人等に使用者契約の生命保険の契約上の権利を

付与した場合は、使用人等は保険料の額を使用者から引き継いだことに

なるのであるが、本件の場合、使用人等は、その権利を

取得したことにより、本件退職時解約返戻金相当額から本件保険料を

差し引いた本件金員(注)相当額の経済的利益が発生している。

(注)解約返戻金と一時払い保険料の差額

〇この場合において、使用人等が使用者から引き継いだ生命保険契約上の

権利の額は、保険料の総額ではなく、その支給時において

生命保険契約等を解除したとした場合に支払われることとなる

解約返戻金で評価することになると解され、そのことは、

当該解約返戻金の額で権利を取得したものとみることができる。

〇すなわち、本件の場合、退職金の一部として保険契約者及び

保険金受取人の名義が変更されたことにより、請求人は、

本件生命保険契約に係る保険契約上の権利を取得し、

本件金員を含む本件退職時解約返戻金相当額をもって

退職所得としての課税を受け、その後、本件生命保険契約を解約して

本件解約返戻金を受け取っていることが認められる。

〇そうすると、一時所得の金額の計算上控除する金額については、

一般には保険料の額と解するのが相当であるとしても、本件においては、

本件退職時解約返戻金相当額が保険料総額を上回っており、

本件金員を含めて退職所得課税の対象となっていることから、

本件金員は、所得税法第34条第2項に規定する一時所得の金額の

計算上収入を得るために支出した金額に含まれると解するのが相当である。

以上です。

「TKC税務Q&A」にも本裁決を前提としたと思われる事例

「生命保険解約返戻金に係る一時所得の金額の計算上控除する金額」が

掲載されています。

併せてご覧頂ければと思います。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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