固定資産税削減スキームの行方2
※2025年1月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
税理士法人レディングの木下でございます。
今回のテーマは、前回に引き続き
「固定資産税削減スキームの行方2」です。
前回は、「固定資産税削減スキーム」の概要をお伝えしました。
https://www.recpas.or.jp/new/jigyo/report_web/pdf/2023_r6_all/2024_r6_report_arikata_mid.pdf
次に、同センター中間とりまとめのうち、
以下をご確認ください。
―――(P1 検討の背景)
一方で、制度創設から20年が経過し、
みなし償却資産課税制度の適用範囲が
当初想定していた以上に拡大していることや、
その背景として制度を濫用し、恣意的に税負担を
軽減しようとする意図も見受けられるような事例も
覚知されるなど、新たな課題についても認識したところである。
―――
同センターでは、制度濫用により
恣意的に税負担軽減を行う事例を
問題視しているのがわかります。
具体的な制度濫用事例は以下のようなものです。
―――
エレベーター設備、空調設備等のテナント等が
一般的に付けない明らかに家屋に付合する設備を
子会社等が負担する。
それを自らの事業のために取り付けたものとみなし、
償却資産税の対象として申告し
不動産取得税や固定資産税を節税する。
―――
その他の事例につきましては、
先ほどの中間とりまとめP5<具体的な事例>に
3事例が掲載されていますので、ご確認ください。
それを受け、同制度の濫用事例への対応策の検討として、
同センターの調査研究委員会は以下のとおりです。
(P6IV 対応策の検討と今後の方向性)。
―――
まず、みなし償却資産課税制度を利用し、
本来家屋として課税されるべきものまで
償却資産として課税されていることから、
家屋として課税すべきものについては
みなし償却資産課税制度の適用対象外と
なるよう法令改正により手当てを行うことが必要である。
(中略)
しかし、その対応策のみでは、事業者が
恣意的に家屋と附帯設備の所有者を分け、
付合していないと主張された場合には、
課税庁において付合の成否を判断する必要があり、
みなし償却資産課税制度により解決された
付合の判断の困難性という課題に再び直面することになる。
そこで、上記の対応策に加えて、家屋として
課税すべき附帯設備の範囲を、現場で運用が
可能な具体性のあるレベルで、法令上明確化する必要があると考える。
―――
つまり、
「附帯設備のうち家屋として課税すべきものの範囲を
法令上明確化すべき」と結論付けしました。
そして、この中間とりまとめ公表後、
税務通信3826号(令和6年11月11日)で
この内容の記事が掲載されました。
みなし償却資産課税制度の濫用で対応策検討
家屋と附帯設備の所有者を分け租税回避図る
https://www.zeiken.co.jp/zeimutusin/article/no3826/TA00038260701.php
税務通信の記事によれば、
―――
これまでもタワーマンションの課税など、
同センターの調査研究が税制改正に
つながったことがある(No3419 等)。
なお、総務省の固定資産税課長も
同とりまとめの委員となっている。
―――
とあるため、
令和7年度税制改正大綱に記載されるものと
推測しておりましたが、公表された大綱には
記載がありませんでした。
とはいえ、2月に国会に提出される法案に
当該改正項目が入っている可能性もあります。
何はともあれ、提出される法案を待ちたいと思います。
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