推計課税に決まった計算方法は無い
※2025年2月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社KACHIELの久保憂希也です。
前回の本ブログでは、原資資料が無い場合
推計によって申告しても問題ないのかについて
解説しましたが、今回は税務調査において
推計(課税)がどのように行われるのか、です。
結論からいえば、推計(課税)の方法に
決まった手法は存在しません。ですから、
調査事案によって推計方法は相違します。
逆に言えば、決まった方法が存在しないからこそ、
調査官が提示した計算方法で、不合理な所得を
提示された場合であっても、違う計算方法を
提示することによって反論が可能となります。
一般的な推計の方法としては【推計の柱】
となるものを固定してから考えることになります。
例えば、売上が全て口座入金である場合、
売上額は把握できますので、売上額を柱として
・納税者の直近の経費率から所得を算出する
・調査官が同業者の所得率を抽出する
という方法があり得ますし、小売業や
飲食業のように仕入額が把握できる場合、
仕入額を柱として粗利率から逆算で
売上額を推計、家賃や人件費などの
販管費は実額に近い金額を認容するなどです。
なお、公開裁決事例において、所得税の
推計課税を争った事案だけでも22件あり、
その計算方法の合理性が争点になっている事案も
内容は多種多様なので併せて参考にしてください。
公開裁決事例 > 所得税 > 推計課税
https://www.kfs.go.jp/service/MP/02/1401000000.html
調査官による推計で算出される(所得税の)
所得額が高くなりがちなのにはもう1つ別の
観点があって、それは生活費との兼ね合いです。
納税者個人の生活費(家賃・食費・学費等)が
ざっくり40万円/月だとすると調査官目線では
「40万円×12ヶ月=約500万円」が
税引後所得でなければおかしい、となります。
これを税前所得に換算すると「700~800万円」
がないと生活できないはず、という論理です。
税務調査においては、事業における経常的経費は
領収書等の保存が無くとも必要経費と認める
方向性になりますが、一方で調査官が許容できる、
推計による「最低所得額」は最初からほぼ
調査官の中で決まっているともいえます。
これに対する反論方法については、
下記の記事(過去ブログ)を参照してください。
「生活費から推計課税はできるのか?」
https://kachiel.jp/blog/%E7%94%9F%E6%B4%BB%E8%B2%BB%E3%81%8B%E3%82%89%E6%8E%A8%E8%A8%88%E8%AA%B2%E7%A8%8E%E3%81%AF%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8B%EF%BC%9F/
次回の本ブログでは、所得税申告実務に関して
判断に迷いがちな論点を取り上げていきます。
※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。
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