相続人の確定に関する民法確認1
※2025年2月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
税理士法人レディングの木下でございます。
今回のテーマは、
「相続人の確定に関する民法確認1」です。
令和7年2月4日に開催されました
カチエル主催の研修「相続税の失敗事例検証」で
相続人の確定に関する失敗事例を取り上げました。
相続人の確定は、税理士にとっては
基礎控除、生命保険金、死亡退職金を決定するための
重要な要素ですが、その感覚よりも大切なのは
遺産分割協議における当事者を決めることです。
全ての財産の行先が指定されている
特定財産承継遺言がない場合には、
遺産分割協議が必要になりますが、
その遺産分割協議の当事者を決めなければ
いつまでたっても完了させることができません。
その意味で相続人の確定作業は非常に重要な意味を持ちます。
1.配偶者の相続権(民法890条)
—
被相続人の配偶者は、常に相続人となる。
この場合において、第八百八十七条又は前条の規定により
相続人となるべき者があるときは、その者と同順位とする。
—
(解説)
配偶者は、どんな家族構成であっても相続人になります。
その場合の順位は
第1順位相続人、第2順位相続人、第3順位相続人
と同じ順位になります。
2.子及びその代襲者等の相続権(民法887条)
—
被相続人の子は、相続人となる。
2 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、
又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、
その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。
ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
3 前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、
又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、
その代襲相続権を失った場合について準用する。
—
(解説)
1項:第1順位相続人を定めています。
2項:代襲相続を定めています。
子が先に亡くなったら孫が相続人になります。
死亡、欠格事由(民法891)、廃除を原因とする。
ただし、直系卑属しか代襲相続できない。
3項:再代襲相続を定めています。
孫が先に亡くなったら曾孫が相続人になります。
原因は第2項と同様です。
3.直系尊属及び兄弟姉妹の相続権(民法889条)
—
次に掲げる者は、第八百八十七条の規定により
相続人となるべき者がない場合には、
次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。
一 被相続人の直系尊属。
ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。
二 被相続人の兄弟姉妹
2 第八百八十七条第二項の規定は、前項第二号の場合について準用する。
—
(解説)
1項:887条(子の相続権)における相続人がいない場合、
第2順位が直系尊属(父母、祖父母。ただし、親等の近い順番)
第3順位が兄弟姉妹
が相続人になると定めています。
2項:第3順位の兄弟姉妹相続では887条2項(代襲相続)
を準用すると定めています。
兄弟姉妹相続は代襲相続まで、つまり、甥姪までしか代襲しません。
再代襲相続しない理由は887条3項を準用していないためです。
次回も引き続き、相続人の確定に関する民法確認を解説します。
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