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2026.07.31

相続人の確定に関する民法確認2

※2025年2月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

税理士法人レディングの木下でございます。

今回のテーマは、
「相続人の確定に関する民法確認2」です。

前回は、相続人の確定につき
条文を用いて確認しました。

今回も引き続き
相続人の確定に関する民法確認をしていきます。

ここでは、「養子の代襲相続権」を確認します。

まずは、以下の国税庁質疑応答事例をご確認ください。
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/sozoku/06/04.htm
(養子縁組前に出生した養子の子の代襲相続権の有無)

民法上の有名な論点です。
こちらを紐解いていきます。

まずは、以下条文から。
―――
727条(縁組による親族関係の発生)
養子と養親及びその血族との間においては、
養子縁組の日から、血族間におけるのと同一の親族関係を生ずる。
―――
(解説)
養子は養子縁組の日から嫡出子としての相続権を取得します。
つまり、
養子縁組によって養子と養親との間に親族関係が生じるのは、
養子縁組が成立した日からとなります。

次に、以下条文を確認してください。
―――
887条(子及びその代襲者等の相続権)
2 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、
 又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、
 その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。
 ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
―――

1項と3項は中略しております。

ここでは2項ただし書きをご確認ください。
「ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。」

論点は、養子の子が「被相続人の直系卑属でない者」
になるのかです。

これについては、大審判昭和7年5月11日により
(1)養子縁組前に生まれた養子の子は、養子の親との間に何ら血族関係はない
(2)養子縁組後に生まれた養子の子は、養子の親と血族関係になる
と判示されています。

つまり、
血族関係がない場合、
「被相続人の直系の卑属でない者」
に該当することになり代襲相続ができない
ということになります。

上記を言い換えると、
有名な論点としての以下を導くことができます。
(1)養子縁組前に生まれた養子の子は、
「被相続人の直系卑属でない者」であり、代襲相続ができない。
(2)養子縁組後に生まれた養子の子は、「被相続人の直系卑属」であり、
代襲相続ができる。

ただし、上記に関する例外としては
以下の事例があります。

国税庁質疑応答事例
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/sozoku/06/02.htm
(代襲相続権の有無(1))

この事例を確認すると、
養子の孫は養子縁組「前」の出生であるため、
先ほどの考え方からすれば、
養子の代襲相続人ではないという結論になるはずです。

しかしながら、回答は
「Dは、被相続人Aの実子Cを通じて被相続人の直系卑属になりますから、
養子Bの代襲相続人となります。」
となっています。

ここで、確認すべきは、
「養親の実子の子であって養親の直系卑属にあたる」
という事実があることです。

つまり、元々は実子の子であるという立ち位置が存在しているため、
その立場は養子縁組前に出生していても変わるものではない、
という考えに基づくものです(大阪高裁平成元年8月10日)。

また、戸籍先例においても、
養子縁組前の養子の子に代襲相続権を認めています
(S35.8.5 民事局第二課長回答)。

養子の代襲相続権は結論だけは知っているという
状態になりがちですが、しっかりと条文や判例を含めて
その趣旨を理解されることをお勧めします。

相続人の確定を誤れば、相続税の計算も連動しますので。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

著者情報

木下勇人

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