2024.09.20

不動産税務に必須となる不動産取得税の取扱い2

※2023年9月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

税理士法人レディングの木下でございます。

今回のテーマは前回に引き続き
「不動産税務に必須となる不動産取得税の取扱い2」です。

2.贈与税の配偶者控除において
注意すべき不動産取得税の取扱い

前回は、贈与税の配偶者控除において
適用可能性の残る2つの軽減措置のうち、
以下(1)を解説しました。

(1)居住用の中古住宅を取得した際の
不動産取得税の軽減制度

今回は、以下(2)を紹介します。

(2)住宅用の土地を取得した際の
不動産取得税の軽減制度

住宅用の土地を取得し、一定の要件を満たす場合、
土地の税額から一定額が軽減されます。

新築住宅用の土地は(1)
中古住宅用の土地は(2)
の軽減制度がありますが
贈与税の配偶者控除との関係では(2)に該当することが
主になるかと思いますので、今回は、(2)のみご紹介します。

(2)中古住宅用の土地の取得に関する軽減措置
  (地法73の24(2)(3))

ただし、前提として
当該土地上の中古住宅が前回ご紹介した
軽減要件を満たす場合に限ります。

1.軽減要件
次のA又はBのいずれに該当する場合に軽減が認められます。

A.土地を先に取得した場合(同時を含む)
土地を取得した方が、当該土地を取得した日から
1年以内(同時取得を含む。)にその土地上の中古住宅を取得していること

B.中古住宅を先に取得した場合
中古住宅を取得した方が、当該住宅を
取得後1年以内にその敷地を取得していること

2.軽減の計算方法
次のア、イのいずれか高い方の額が
土地の税額から減額されます(税額控除)。

ア.45,000円
イ.土地1平米当たりの価格
 ×住宅の床面積(1戸当たり200平米限度)
 ×住宅の取得持分
 ×3%

3.贈与税の配偶者控除のケースでの検証
不動産取得税節税の観点からは、土地だけでなく、
持分であっても住宅を取得しておく方がよい、
という結論になります。

なぜならば、贈与税の配偶者控除の実行では
住宅の敷地に対して適用させることが大半になりますが、
土地のみの取得である場合、今回の軽減要件Aを満たす必要があります。

つまり・・・
土地を先行取得する場合、
1年以内にその土地上の中古住宅
を取得しなければなります。

もしくは、土地と同時にその土地上の
中古住宅を取得しなければなりません。

この場合の中古住宅は持分取得で構いませんので、
ほんの少しの持分であっても中古住宅を取得
しておくことをおススメいたします。

仮に、当該居住用財産の敷地を譲渡する場合の
3,000万円特例(措法35(1)(2))を適用させる
ためにも、住宅の持分を少しでも保有しておく
必要があることもお忘れないようにしてください。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

著者情報

木下勇人

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