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2026.09.17

相続時精算課税選択後の相続税申告における留意点

※2025年3月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

税理士法人レディングの木下でございます。

今回は、前回に引き続き
相続時精算課税に関する論点を取り上げます。

今回のテーマは
「相続時精算課税選択後の相続税申告における留意点」です。

以前のブログで
「相続時精算課税適用者の申告漏れ財産に対する相続時の精算」
を取り上げましたが、まずはそれを振り返ります。

相続時精算課税を選択した場合、
贈与税申告において特別控除を適用する場合には、
期限内申告することが求められています
(相法21の12(2))。

では、期限内申告も期限後申告を行わないまま
特定贈与者に相続が発生してしまった場合、
贈与財産の額は相続時に加算されます
(相法21の15(1))。

―――
・・・当該取得の日の属する年分の贈与税の
課税価格計算の基礎に算入されるものに限る。)
―――

相続税法基本通達21の15-1
(相続税の課税価格への加算の対象となる財産)
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/sozoku2/02/12.htm#a-21_15_1

―――
・・・贈与税の課税価格計算の基礎に算入される
全てのものであり、贈与税が課されているか
どうかを問わないことに留意する。
―――

つまり、過去、贈与税申告の有無は関係なく、
贈与税の非課税財産以外で
贈与税の課税価格計算の基礎に算入されるものは
全て加算されることを規定しています。

ここで追加して注意を要するのが
贈与財産の評価になります。

例えば、相続時精算課税選択後に
贈与により取得した財産が土地や非上場株式とします。

仮に、贈与税申告をしていなければ、
贈与した当時の税制に従い財産評価を行ったうえで
相続財産に加算する必要があります。

また、贈与税申告をしていた場合であっても
贈与した当時の税制に基づく財産評価が誤っていれば
再評価をしたうえで相続財産に加算する必要があります。

贈与により財産を取得したのが
令和7年度であれば、贈与税の申告期限である
令和8年3月15日から6年以内(贈与税の除斥期間)
に相続が発生すれば、贈与時の財産評価を見直して
贈与税の修正申告又は、更正の請求をする
可能性は残ります。

そのうえで、再評価後の贈与財産を
相続財産に加算することになります。

また、相続発生が贈与税の除斥期間を越えてしまった場合には
贈与税の修正申告、又は、更正の請求をすることはできませんが、
相続財産に関する評価額は見直すことは可能です。

あくまで、贈与時の税制に基づく適正な財産評価に基づいた
財産額を加算することが必要になります。

相続時精算課税が導入されたのが平成15年ですので
現段階でも20年以上経過しています。

また、令和6年1月1日から
相続時精算課税の使い勝手がよくなり
選択する受贈者が増加することが想定されます。

今後は、相続時精算課税を選択して取得した財産が
現預金ではなく土地や非上場株式であれば
相続時に加算する贈与財産の評価額見直しが
必要になる場面が増加すると考えます。

贈与から相続発生まで期間が長い場合には
贈与時の税制をかなり遡る必要がありますので
今後の実務に影響を与えると考えています。

是非、注意していただきたいと思います。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

著者情報

木下勇人

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