• HOME
  •  › ブログ
  •  › 書面添付の意見聴取~調査省略率を分析する
2026.09.17

書面添付の意見聴取~調査省略率を分析する

※2025年4月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

日税連が10年に1回実施している「税理士実態調査」
ですが、令和6年4月の調査集計結果が
令和7年2月に公表されました。

「第7回税理士実態調査報告書」
https://www.nichizeiren.or.jp/datalibrary/system/survey/250221b/

全700ページ超の膨大なレポートとなっていますが、
今回は書面添付制度の実態について、最新の情報を
整理・分析・解説していきましょう。

令和5年中に税理士法第33条の2に規定する
書面添付制度を活用した税理士事務所(税理士法人含む)
の割合は26.1%となっています。

最も書面添付件数が多い法人税に絞ると、
全国でのアンケート結果件数は下記です。

A 書面添付の件数:115,441件
B 事前通知前の意見聴取件数:3,334件
C 調査省略件数:1,947件
D 調査省略件数のうち修正申告件数:90件
E 調査へ移行した件数:1,470件

まず、書面添付をして意見聴取される率ですが
「B÷A=約2.8%」となり、一方で年間の
実地調査率が約2%程度あることから、
書面添付をせずに税務調査が実施される割合と、
書面添付をして意見聴取がされる割合は
ほぼ同じであることがわかります。

意見聴取の結果を大別すると、

(1)調査省略
1 非違事項無し:「意見聴取結果についてのお知らせ」
  が送付され税務調査に移行しない
2 非違事項あり:自主的な修正申告の提出
  (調査ではないため加算税は課されない)

(2)調査へ移行する

の3パターンになるわけですが、

上記最新の数値によると、

(1)1:(CーD)÷(C+E)=54.3%
(1)2:D÷(C+E)=2.6%
(2):E÷(C+E)=43%

であることがわかります。

ここで着目すべき点は、
書面添付をすれば、意見聴取によって

【50%超の割合で調査省略になる】

ことは当然ながら、

調査省略のうちほとんどは是認であって、

【(自主)修正申告になる確率はかなり低い】
(D÷C=4.6%)

となっており、一般的な税務調査における
否認割合(修正申告率)が「76.3%」と
かけ離れていることがわかります。

これは、そもそも税理士が「申告内容に
自信があるから書面添付している」ことも
要因かとは思いますが、一方で税務署側が
意見聴取において深度ある確認をしない
(税務調査のように全元帳・資料を確認する
などをしない)ことが根本でしょう。

※逆に言うと、税務署が深度ある確認を
したければ、調査に移行するはずです

書面添付制度を活用している税理士事務所は
全体の4分の1程度、また申告数に対しては

法人税:10.0%
相続税:24.3%
所得税:1.5%
(令和5事務年度国税庁実績評価書より)

となっていますが、税務調査の率を下げる
という観点からはもっと活用されていい制度
であることが上記からもわかるはずです。

次回の本ブログでは、同じく
「第7回税理士実態調査報告書」から最新の
税務調査の実態について分析してみましょう。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

著者情報

久保憂希也

毎週水曜日に配信する『税務調査対策のメールマガジン』では、最新の税務調査事情はもちろんのこと、調査官の心理、税務署のウラ側など元国税調査官だからこそ語れるマニアックなテーマまでをお届けします。
「こんなことまで話して本当に大丈夫ですか?」 と多くの反響を頂く税理士業界では話題のメルマガです。
お名前とメールアドレスを登録するだけで 毎週【 無料 】でメルマガを配信いたします。