書面添付の意見聴取~調査省略率を分析する
※2025年4月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社KACHIELの久保憂希也です。
日税連が10年に1回実施している「税理士実態調査」
ですが、令和6年4月の調査集計結果が
令和7年2月に公表されました。
「第7回税理士実態調査報告書」
https://www.nichizeiren.or.jp/datalibrary/system/survey/250221b/
全700ページ超の膨大なレポートとなっていますが、
今回は書面添付制度の実態について、最新の情報を
整理・分析・解説していきましょう。
令和5年中に税理士法第33条の2に規定する
書面添付制度を活用した税理士事務所(税理士法人含む)
の割合は26.1%となっています。
最も書面添付件数が多い法人税に絞ると、
全国でのアンケート結果件数は下記です。
A 書面添付の件数:115,441件
B 事前通知前の意見聴取件数:3,334件
C 調査省略件数:1,947件
D 調査省略件数のうち修正申告件数:90件
E 調査へ移行した件数:1,470件
まず、書面添付をして意見聴取される率ですが
「B÷A=約2.8%」となり、一方で年間の
実地調査率が約2%程度あることから、
書面添付をせずに税務調査が実施される割合と、
書面添付をして意見聴取がされる割合は
ほぼ同じであることがわかります。
意見聴取の結果を大別すると、
(1)調査省略
1 非違事項無し:「意見聴取結果についてのお知らせ」
が送付され税務調査に移行しない
2 非違事項あり:自主的な修正申告の提出
(調査ではないため加算税は課されない)
(2)調査へ移行する
の3パターンになるわけですが、
上記最新の数値によると、
(1)1:(CーD)÷(C+E)=54.3%
(1)2:D÷(C+E)=2.6%
(2):E÷(C+E)=43%
であることがわかります。
ここで着目すべき点は、
書面添付をすれば、意見聴取によって
【50%超の割合で調査省略になる】
ことは当然ながら、
調査省略のうちほとんどは是認であって、
【(自主)修正申告になる確率はかなり低い】
(D÷C=4.6%)
となっており、一般的な税務調査における
否認割合(修正申告率)が「76.3%」と
かけ離れていることがわかります。
これは、そもそも税理士が「申告内容に
自信があるから書面添付している」ことも
要因かとは思いますが、一方で税務署側が
意見聴取において深度ある確認をしない
(税務調査のように全元帳・資料を確認する
などをしない)ことが根本でしょう。
※逆に言うと、税務署が深度ある確認を
したければ、調査に移行するはずです
書面添付制度を活用している税理士事務所は
全体の4分の1程度、また申告数に対しては
法人税:10.0%
相続税:24.3%
所得税:1.5%
(令和5事務年度国税庁実績評価書より)
となっていますが、税務調査の率を下げる
という観点からはもっと活用されていい制度
であることが上記からもわかるはずです。
次回の本ブログでは、同じく
「第7回税理士実態調査報告書」から最新の
税務調査の実態について分析してみましょう。
※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。
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