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2026.10.15

贈与税の非課税財産の正しい理解

※2025年4月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

税理士法人レディングの木下でございます。

今回は、
「贈与税の非課税財産の正しい理解」
を解説します。

110万円の現金贈与を説明する際に、
「110万円までは非課税です」としてしまいがちですが、
本当は誤った説明となります。

贈与税の非課税財産は法令に定められているものに
限定されています。

国税庁HPには全部で12を記載しております。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4405.htm

根拠法令ごとに以下に記載します。
■相続税法21条の3(贈与税の非課税財産)
1 法人からの贈与により取得した財産(1項1号)
→ 贈与税は非課税ですが、一時所得に該当する。

2 夫婦や親子、兄弟姉妹などの
扶養義務者から生活費や教育費に充てるために
取得した財産で、通常必要と認められるもの(1項2号)
→ 詳細には以下を参照
・相基通21の3-9
・扶養義務者(父母や祖父母)から
 「生活費」又は「教育費」 の贈与を
 受けた場合の贈与税に関するQ&A
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sozoku/131206/pdf/01.pdf

3 宗教、慈善、学術その他公益を目的とする
事業を行う一定の者が取得した財産で、
その公益を目的とする事業に使われることが
確実なもの(1項3号)

4 奨学金の支給を目的とする特定公益信託や
財務大臣の指定した特定公益信託から交付される
金品で一定の要件に当てはまるもの(1項4号)

5 地方公共団体の条例によって、
精神や身体に障害のある人またはその人を
扶養する人が心身障害者共済制度に基づいて
支給される給付金を受ける権利(1項5号)

6 公職選挙法の適用を受ける選挙における
公職の候補者が選挙運動に関し取得した金品
その他の財産上の利益で、公職選挙法の
規定による報告がなされたもの(1項6号)

■相続税法21条の4(特定障害者に対する贈与税の非課税)
7 特定障害者扶養信託契約に基づく信託受益権
→ 特別障害者6,000万円、

  一般障害者3,000万円の非課税枠
https://www.shintaku-kyokai.or.jp/archives/045/data04_01-6.pdf

■相続税法基本通達21の3-9
(社交上必要と認められる香典等の非課税の取扱い)
8 個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、
祝物または見舞いなどのための金品で、
社会通念上相当と認められるもの
→ 相続税法21の3(贈与税の非課税財産)
1項2号の拡大解釈
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/sozoku2/02/10.htm#a-21_3_10

■租税特別措置法70の2
(直系尊属から住宅取得等資金の贈与を
受けた場合の贈与税の非課税)
9 直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金のうち
一定の要件を満たすものとして、
贈与税の課税価格に算入されなかったもの
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0024005-031_01.pdf

■租税特別措置法70の2の2
(直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を
受けた場合の贈与税の非課税)
10 直系尊属から一括贈与を受けた
教育資金のうち一定の要件を満たすものとして、
贈与税の課税価格に算入されなかったもの
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku-zoyo/201304/pdf/0023004-114_02.pdf
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku-zoyo/201304/pdf/02.pdf

■租税特別措置法70の2の3
(直系尊属から結婚・子育て資金の
一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税)
11 直系尊属から一括贈与を受けた
結婚・子育て資金のうち一定の要件を満たすものとして、
贈与税の課税価格に算入されなかったもの
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku-zoyo/201304/pdf/0023004-114.pdf
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku-zoyo/201504/pdf/04.pdf

■相続税法21の2(贈与税の課税価格)4項
12 相続や遺贈により財産を取得した人が、
相続があった年に被相続人から贈与により取得した財産
→ 相続開始年における贈与については贈与税非課税

上記以外には以下もあります。
■東日本大震災の被災者等に係る
国税関係法律の臨時特例に関する法律
第38条の2(東日本大震災の被災者が
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を
受けた場合の贈与税の非課税)1項

これらの条文の規定は贈与税の非課税財産として
「贈与税の課税価格に算入しない」という表現をしています。

これに対して、
110万円の贈与については
「贈与税の課税価格に算入された」状態で、
「基礎控除」を差し引いて税額が生じないため
申告義務が生じない(相法28(1))、
これが正しい理解となります。

特に
扶養義務者間の生活費又は教育費の贈与
は、
そもそも非課税で贈与税の価格計算には反映されないため
上記とは別に
基礎控除110万円まで贈与したとしても
税額ゼロで贈与できることになります。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

著者情報

木下勇人

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