アンダーバリューによる輸出免税が否認された裁決事例
※2025年4月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社KACHIELの久保憂希也です。
前回の本ブログでは、輸出免税における
アンダーバリュー取引の問題について解説しました。
税務調査で問題とされるアンダーバリュー取引は
下記となります(前回の復習も兼ねています)。
●本来20万円超の輸出品を20万円以下として
EMS(か小包郵便物)で輸出する
●EMSの引受書類・発送伝票等の控えはある
●実際の決済額は20万円超であることから
輸出許可書がないことをもって輸出免税を否認
さて、この否認指摘に関する論点・本質は、
20万円超か以下かを判断する「価格」とは、
税関を通した申告額なのか、もしくは
実際の取引価額(決済額)なのかという点です。
ここで、前回も紹介した国税庁タックスアンサーでは
この20万円基準に関してこのように記載しています。
「No.6551 輸出取引の免税」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6551.htm
免税の適用を受けるための証明(注1)
「この輸出する場合の資産価額とは、FOB価格であり、
原則として当該郵便物の【現実の決済金額】
(例えば、輸出物品の販売金額)となります。」
おそらく、この記載内容の基になったであろう
公開裁決事例は下記です。
「価格が20万円を超える郵便物として
資産を輸出した場合に消費税の輸出免税規定が
適用されるには、税関長が証明した
書類の保存を要するとした事例」
(平成29年9月15日裁決)
https://www.kfs.go.jp/service/JP/108/11/index.html
この裁決事例では、審判所の判断として
「ある郵便物が簡易郵便物に該当するか否かは、
その現実の取引価格が20万円を超えるか
否かで決すべきものと解される」
「当該郵便物の現実の取引価格が20万円を
超えるならば、簡易郵便物として資産を
輸出したこと(規則第5条第1項第2号)には
該当せず、当該郵便物に係る輸出許可書等の
一定期間の保存がない限り、当該郵便物の
輸出取引について輸出免税規定は適用されない」
との結論から輸出免税が認められませんでした。
もう1つ、別の公開裁決事例を紹介します。
「請求人が国際郵便により輸出した資産の譲渡
については、消費税法第7条《輸出免税等》
第2項に規定する証明がされていないため、
輸出免税規定の適用はないとした事例」
(平成30年6月5日裁決)
https://www.kfs.go.jp/service/JP/111/15/index.html
こちらの裁決事例は高級時計を国際スピード郵便
(おそらくFedEx)で輸出したものですが、
価格記載欄を空欄(金額なし)としていたものです。
審判所の判断として「輸出時見積価格」が
20万円超(国内仕入額が40万円以上)である
ことから輸出免税が認められませんでした。
このように、アンダーバリュー取引について
輸出免税が否認される=課税取引とされると
多額の増差が発生することから、
顧問先に対してはリスク説明が必要となります。
併せて、税務調査ではアンダーバリュー取引が
「仮装行為」として重加算税と指摘される
事案が多いはずです。
次回の本ブログではアンダーバリュー取引
で重加算税と指摘された場合の反論方法について
お伝えします。
※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。
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