• HOME
  •  › ブログ
  •  › アンダーバリューによる輸出免税が否認された裁決事例
2026.11.02

アンダーバリューによる輸出免税が否認された裁決事例

※2025年4月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

前回の本ブログでは、輸出免税における
アンダーバリュー取引の問題について解説しました。

税務調査で問題とされるアンダーバリュー取引は
下記となります(前回の復習も兼ねています)。

●本来20万円超の輸出品を20万円以下として
EMS(か小包郵便物)で輸出する

●EMSの引受書類・発送伝票等の控えはある

●実際の決済額は20万円超であることから
輸出許可書がないことをもって輸出免税を否認

さて、この否認指摘に関する論点・本質は、
20万円超か以下かを判断する「価格」とは、
税関を通した申告額なのか、もしくは
実際の取引価額(決済額)なのかという点です。

ここで、前回も紹介した国税庁タックスアンサーでは
この20万円基準に関してこのように記載しています。

「No.6551 輸出取引の免税」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6551.htm
免税の適用を受けるための証明(注1)
「この輸出する場合の資産価額とは、FOB価格であり、
原則として当該郵便物の【現実の決済金額】
(例えば、輸出物品の販売金額)となります。」

おそらく、この記載内容の基になったであろう
公開裁決事例は下記です。

「価格が20万円を超える郵便物として
資産を輸出した場合に消費税の輸出免税規定が
適用されるには、税関長が証明した
書類の保存を要するとした事例」
(平成29年9月15日裁決)
https://www.kfs.go.jp/service/JP/108/11/index.html

この裁決事例では、審判所の判断として

「ある郵便物が簡易郵便物に該当するか否かは、
その現実の取引価格が20万円を超えるか
否かで決すべきものと解される」

「当該郵便物の現実の取引価格が20万円を
超えるならば、簡易郵便物として資産を
輸出したこと(規則第5条第1項第2号)には
該当せず、当該郵便物に係る輸出許可書等の
一定期間の保存がない限り、当該郵便物の
輸出取引について輸出免税規定は適用されない」

との結論から輸出免税が認められませんでした。

もう1つ、別の公開裁決事例を紹介します。

「請求人が国際郵便により輸出した資産の譲渡
については、消費税法第7条《輸出免税等》
第2項に規定する証明がされていないため、
輸出免税規定の適用はないとした事例」
(平成30年6月5日裁決)
https://www.kfs.go.jp/service/JP/111/15/index.html

こちらの裁決事例は高級時計を国際スピード郵便
(おそらくFedEx)で輸出したものですが、
価格記載欄を空欄(金額なし)としていたものです。

審判所の判断として「輸出時見積価格」が
20万円超(国内仕入額が40万円以上)である
ことから輸出免税が認められませんでした。

このように、アンダーバリュー取引について
輸出免税が否認される=課税取引とされると
多額の増差が発生することから、
顧問先に対してはリスク説明が必要となります。

併せて、税務調査ではアンダーバリュー取引が
「仮装行為」として重加算税と指摘される
事案が多いはずです。

次回の本ブログではアンダーバリュー取引
で重加算税と指摘された場合の反論方法について
お伝えします。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

著者情報

久保憂希也

毎週水曜日に配信する『税務調査対策のメールマガジン』では、最新の税務調査事情はもちろんのこと、調査官の心理、税務署のウラ側など元国税調査官だからこそ語れるマニアックなテーマまでをお届けします。
「こんなことまで話して本当に大丈夫ですか?」 と多くの反響を頂く税理士業界では話題のメルマガです。
お名前とメールアドレスを登録するだけで 毎週【 無料 】でメルマガを配信いたします。